図書館司書の資格は、通信制大学や大学の課程で取得するのが一般的ですが、短期集中講座で司書補の資格というルートも存在します。
今回は、その2ヶ月間の集中講座で司書補資格を取得したKさん(30代・男性)に、資格取得までの道のりや講座の実情についてお話をうかがいました。
図書館司書を目指したきっかけは?

まずは、司書資格を目指したきっかけから教えてください。



大学時代、うちの図書館の本の扱いが本当にひどくて。破れてても修復されてないし、雑な返却も多かったんです。見てて「これじゃ本がかわいそうだな」と。だんだん怒りというか、義憤を感じるようになりました。



それが資格取得の動機に?



はい。「自分が司書の資格を取って、現場を変えてやろう」と思いました。かなり本気でしたね。
在学中の挫折、夢を一時断念



そのまま在学中に講義を受けたんですか?



そうするつもりだったんですが、講義を申し込もうとしたときに講師からかなり心ないことを言われて…。その一言が刺さってしまって、結局、在学中の受講は断念しました。



それでも司書になりたいという思いは残っていた?



はい。社会人になってもずっと心の片隅にあって、タイミングがあればいつかチャレンジしたいと思っていました。
再挑戦のきっかけは電車の中吊り広告



再挑戦のきっかけは何だったんですか?



ちょうど会社を辞めて無職だった時期に、電車に乗ってたんです。そこで見かけた中吊り広告に「司書補、短期集中講座」の案内が載っていて。



偶然の出会いですね。



まさに。「これは今しかない」と思って、すぐに申し込みました。
毎日講義+自宅学習+課題。まるで受験生のような2ヶ月間



短期講習って、かなりハードなイメージがありますが…?



実際、めちゃくちゃハードでした。講義は毎日。帰宅後も復習、暗記、課題。覚えることも多くて、レポートもあります。「大学受験より勉強してるかも」と思うくらい、1日中勉強漬けでした。



課題で図書館に行くような実地調査もあるんですか?



あります。実際に図書館を訪れて資料を調べたり、利用者対応を考察したりする課題も出ました。外にも出て、家でも勉強して、本当に休みなしの2ヶ月間でした。
夏期受講だったからこそのメリットも



体力的にも大変そうですね。



それが、夏だったのが救いでしたね。寒くないから体調も崩しにくいし、服装も楽で助かりました。季節で選べるなら、夏に受けるのはかなりおすすめです。
短期講座はお金と時間の“覚悟”が必要



受講にあたって、注意すべき点はありますか?



まず費用。受講料が結構高いです。あと、短期集中なので、仕事をしながらとか、家事と両立とかは厳しいと思います。2ヶ月間は本当にこの講座だけに集中する覚悟が必要ですね。



試験で単位を落とすとどうなるんですか?



来年まで再受講できません。つまり1つも落とせないプレッシャーがある。それがかなり精神的にキツかったです。
コミュニケーション力も必要?短期講座の意外な一面



受講中の人間関係ってどうでしたか?



グループ発表とかディスカッションがけっこうあるので、コミュニケーション力はかなり大事だと思います。私はあまり話すのが得意じゃないので、質問もしにくいし、ちょっと孤立しがちでしたね。



意外と人間関係のスキルも必要なんですね。



そうなんですよ。苦手な人は最初から覚悟しておいたほうがいいです。
男女比は女性多め?男性受講者は少数派かも



受講者の男女比はどうでした?



私のときはたまたま男女半々くらいで、講師の方が驚いてました。でも、基本的には女性が多いそうです。男性は少数派なので、そういう意味でも馴染みにくさを感じる人もいるかもしれません。
「努力すれば、短期でも取れる」司書補資格を目指す人へ



これから図書館司書を目指す人にアドバイスをお願いします。



図書館司書を目指しているなら、司書補という道も短期講座はハードだけど、本気でやれば必ず資格は取れます。ただし、覚悟と継続力は必要ですね。あと、費用と時間はそれなりにかかるので、自分の生活状況と照らし合わせて、タイミングを見極めてほしいです。
司書補の資格は、2ヶ月でも本気なら取れる!
図書館司書の資格取得には様々な方法がありますが、司書補の短期講座は「時間はないけど一気に取りたい」という方にとって、有効な選択肢となります。
ただし、時間的にも精神的にも余裕が必要であり、コミュニケーション力や体力、集中力も問われる2ヶ月間です。
Kさんの体験は、これから司書を目指す人にとって、大きなヒントになるはず。
ぜひ、ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてみてください。
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