一口に「図書館」と言っても、町の小さな図書館から大規模な公共図書館、大学の附属図書館まで、さまざまな種類があります。
今回は町の小さな図書館で勤務された経験を持つRさん(50代女性)にお話を伺いました!
小さな図書館の良さと厳しさ

司書資格はいつ、どのように取得されたんですか?



大学の授業の一環で、卒業と同時に資格を取得しました。もともと図書館で働きたい気持ちはありましたが、当時は就職口が少なくて…最初は別の仕事に就いていました。でもある日、小さな町の図書館で司書の募集が出ているのを見つけて、ダメ元で応募したんです。そしたら、なんと合格して。気づけば念願だった図書館で働けることになりました。



実際に図書館で働いてみて、どうでしたか?



配属された図書館は本当に小さなところで、司書は私を含めて2人だけ。分業という感じではなく、開館前の掃除から貸出・返却、レファレンス、閉館作業まで、すべての業務を2人で回していました。



二人で回すのは大変だったんじゃないですか?



そうですね。特に大変だったのは「どこにどんな本があるか」を覚えること。でも、本が好きだったので、むしろ楽しかったです。自分自身もよく本を借りて読んでいて、特に絵本の世界にはたくさん触れることができました。



地域の人たちとの関わりも深かったのでしょうか?



はい。この図書館は町の憩いの場のような存在だったので、利用者の顔と名前を覚えて、日々のやり取りを重ねていくことも大切な仕事でした。そういう交流は、大きな図書館にはなかなかない、地域密着型ならではの魅力だと思います。



そんな中、どんな転機があったのでしょう?



なったんです雇用形態は1年ごとの更新制でした。周囲からは「形式的な試験だから、実質的には継続できるよ」と聞いていたんですが…年度末に市町村の合併があって、職員体制が再編されることに。結果的に、私は更新されず不採用となってしまいました。理由ははっきりとは分かりませんが、町外の住民だったからかもしれません。



1年という短さに、悔いはありませんか?



もちろん、もっと続けたかった気持ちはあります。でも、そもそも司書の仕事って、すごく狭き門なんですよね。その中でたとえ1年でも経験ができたことは、自分にとってすごく貴重でした。やっぱり、あの時大学で資格を取っておいて良かったと心から思います。「司書として働いたことがある」という実体験は、今も自分の中で誇りです。
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